2つの講演  その1、ご高齢の身体障がいのある方々とのセッション

 感染症拡大予防ということで、人が集まって講演会をすることもすっかりなくなっていましたが、この12月は2つの講演会で講師をさせてもらいました。

 

 まず、12月7日に、志摩的矢のホテルで開催された、三重県障がい者「ふれあい交流会」(主催は三重県障害者団体連合会)です。僕と同世代か、それ以上の、つまりご高齢の身体障がいの方70名程を前に「くらしの中で、人と音楽する喜び」と題して2時間少々受け持ちました。

 

 前半は、おなじみ「エール」の動画などを紹介し、定期的に音楽で集う機会があると、それは例え月1回、あるいは数か月に1回の活動であっても、日常の暮らしに彩りが出てくる、また発表の機会があると、それが生きる張り合いにまでなっていく、というようなお話をしました。

 聴衆になってくださった皆さんは、とてもまじめに話を受け留めてくださり、動画も食い入るように見つめ、あってでもこっちでも温かいリアクションに包まれました。

 

 後半は、模擬セッション風に、10名ばかりの方に交代で前に出ていただき、楽器を使ったやり取りや音遊び、そして合奏などを試みました。

 最初は、「わしは音楽は聞くのは好きやけど、音痴やもんで・・・・」という、お定まりの遠慮もあったんですけど、そのうち、熱中して、結局は会場一同盛り上がって、終わることができました。

 

 全員が初対面でした。しかし、熱心に話に耳を傾ける姿から、皆さんの日々の真面目で一所懸命な暮らしぶりまでが、想像されました。よい出会いに感謝しています。

 そして何より、直に眼差しや息遣いも感じて、お話させてもらえること、また一緒に楽器を打ち鳴らして通い合う時間を持てること、当たりまえのことなんですが、今更ながら幸せに思いました。