平和のリボン

 

「平和のリボン 一緒に歩もう!」と銘打ったコンサートが2022年9月22日(木)19:00(開場は18:30)から催される。主催は、韓国出身のマリンバ奏者、野田愛さんである。

 このコンサートでは、障がいのあるミュージシャンが韓国から招かれ、日本の障がいのあるミュージシャンも出演者に加わる。

 

 野田愛さんは自らも指導に当たるJアートアンサンブルの発表の場を日本で設ける際、精力的に日本人アーティストとのコラボレーションを行ってきた。しかし、コロナ禍の数年、多くのミュージシャンと同様に、野田さんたちも活動の場が失われ、今回が、久々のステージの企画となった。

 

 コロナ以前に、僕らのグループ「エール」は、北名古屋市、伊勢市、台湾台南市で、韓国のグループと同じステージで発表をした。

 また、この「平和のリボン」では、天才ミュージシャン新倉壮夫(にいくらたけお)さんも招かれていている。

 僕たち「エール」にとって、このイベントでのステージ発表は嬉しいことには違いない。同時に、壮夫さんや韓国のメンバーといった、何とも懐かしい面々との久々の再会なのである。

 

 

 イベントのタイトル「平和のリボン」について、直接野田さんの思いを聞いてはない。

 しかし僕らが、ステージに乗って演奏を披露し、観客やスタッフの皆さんと楽しいひとときを過ごす、これこそが平和の象徴となるんだ、という思いには何の違和感もない。

 今回のような大きなステージともなれば、その準備もなかなか大変なことは、容易に察しがつく。しかし、例えホールの舞台ではなくても、ミュージシャンを囲んで人が集まれば音楽はいつでも生まれる。

 

 今や、障がいのある人々の音楽会もまた、様々な規模で行われてきて、もはや日常の普通のシーンなりつつある。しかし、コロナの蔓延はこうした日常がいとも簡単に奪った。

 また平和と真逆の戦争、そしてその影が、平和憲法下の日本でも、いよいよ現実味を帯びつつある

 「平和のリボン」というコンサートが、厳しい現実に抵抗する程のものではないだろう。それでも、音楽で、ひと時、様々な人々と思いを共有しようとする、僕らの至極まっとうな営みには、誇りを持ちたいと思う。

 

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コメント: 2
  • #1

    fujii (火曜日, 16 8月 2022 08:36)

    『平和』の名の下に、きな臭い思惑が蠢いているのではないかと疑われる社会事象がある中で、今回の吉田豊さんのメッセージは力強いものを感じました。
    『ステージに乗って演奏を披露し、観客やスタッフの皆さんと楽しいひとときを過ごす、これこそが平和の象徴となるんだ、という思いは何の違和感もない。
     平和と真逆な戦争、そしてその影響が、平和憲法下の日本でも、いよいよ現実味を帯びつつある。
     音楽で、ひと時、様々な人と思いを共有しようとする、この至極まっとうな営みには誇りを持ちたいと思う』
     こんな当たり前のメッセージをなぜ吉田豊さんが発信しなければならないのかを考えると、今の日本、世界の状況に、何の力のない私でも真剣に考えなければならない時にあるんだということを痛感します。ありがとうございました。

  • #2

    まんどろ (水曜日, 17 8月 2022 16:18)

    fujiiさん、いつも力強いご声援をくださり、勇気が湧きます。
    娘が子ども2人とやってきてくれたので、鬼が城に立ち寄り、湯ノ口温泉に出かけて、トロッコに乗ってきました。文字通りの平和でのどかで楽しい時間でした。こんなふうに、ごく普通の幸せな時間を積み重ねるのに、今は何の苦労もありません。このありがたみをかみしめると同時に、意志を持つことも大事になるのかなあ、と思うようになりました。
    ありがとうございました。