音楽療法士になった僕

このプログでは、「『うただま』の経巡り」執筆の背景や、タイトルのことなど、いろいろ思いめぐらしたことを、思いつくまま書いています。

本でも少し書きましたが、僕が音楽療法士になったきっかけは学校教員時代の障がいのある子どもとの音楽活動でした。そこが転身のきっかけ。

 

でもそこから音楽療法士に直結していたわけではありません。

たまたま音楽療法の大先達と出会い、その先生が学術大会に誘ってくださって、音楽療法が視野に入ってきた始まりです。

事情が少しずつ分かってきて、目指すようになった認定資格は、大変高いハードルでした。

音楽療法が非常に難しい仕事だと分かってきたので、3年程かかって認定をいただいた時点でも自ら音楽療法士を名乗るのは、畏れ多いことでした。

しかし、研修会などで講義を聞くと、まさに音楽療法は僕が学び、実践するフィールドに間違いない、と素直に確信しておりました。自分の実践が音楽療法なのかどうかは、さておきです。

 

先生を辞めた時、3つの問いが浮かんでいました。

  音楽療法とは何か?

  僕のやりたい実践はどんなものか?

  僕の実践と音楽療法は関係があるのか、ないのか、あるとすればどんなことか?

 

 

歳を取りました。毎年学会で実践報告するためにその都度、細かい振り返りをし、その集積と、10年、20年、25年を超えたオアイテが、僕の仕事上の財産となりました。思えば、経験や知識をちびちび貯めこんで、音楽療法の小金持ち(ホントのお金は儲かりません)のような人間になったもんです。

 

他の人には、全くどうでもよいような疑問を持ち続け、目の前のオアイテとやる手応えだけを手掛かりにして実践しつつ、歳をとれたので、大いに満足しています。

 

3つの問いは、答にはほとんど意味がないのでしょうが、問い続けたことには、大事なことがあったのだろうと、今は、思えます。

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コメント: 2
  • #1

    fujii (金曜日, 29 7月 2022 09:04)

    なかなかコメント難しいです。�
    3つの問いに向けて、ひたすら実践を積み重ねてこられましたよね。吉田先生なりの音楽療法も構築されました。凄い財産!!を積み上げられたと感じています。
     吉田先生しかできない音楽療法『ことだまの世界』を見出されたと思います。
     これから音楽療法に取り組まれる方は、オアイテさんのニーズによるとは思いますが、もう少し容易に『音楽を楽しむ』程度の『音楽療法』にしていただいても良いのかなぁ・、と思ったりしています。

  • #2

    まんどろ (土曜日, 30 7月 2022 08:10)

    毎度、ありがとうございます。小難しい話に付き合わせて、すみません。
     気軽に楽しんでもらえるような小気味よい音楽が提供できれば、それでよかったんですが、そんな技術がない。なのに目の前のオアイテは生き生き音楽してくる、自分も楽しくなってくる、なんでやねん!と考え始めたんじゃないかと思います。

     並みいる音楽療法士は、皆ピアノがさらさらと弾けたり、ギターやる人は少ないけどめっちゃかっこいい、到底僕の及ぶところじゃありません。ですが、僕のオアイテもなかなかのミュージシャンが出てくる。ひょっとして提供する音楽の技術上の問題は、あんまり関係ないんじゃ、もしそうなら有り難い、僕でもやれる。
     じゃあ、なんやねん!そこらあたりの現実的な問題が3つの問いに行き着いたんだという感じじゃないかと、今は思います。